インドネシア経済史研究―植民地社会の成立と構造―

補足文献として。
はしがきより。

 植民地社会の構造分析に際しては、特に次のような分析視角が重要であろうと思われる。すなわち、植民地支配が、在来社会の発展段階=社会経済構造の特質に規定されて、どのように在来社会に適合した支配を展開したか、さらにその支配の深化とともに自己の経営政策をどのように貫徹していったのか、またそのことが翻って植民地社会にどのような特質を付与することになったのか、といった視角・・・換言すれば、在来社会が植民地支配のあり方を規定する側面と、植民地支配が在来社会を再編成する側面、この両者の相克のなかで植民地社会の構造と変動を捉えること